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再読『武士道ジェネレーション』 [誉田哲也]

未だ積読状態の本が数冊残っているというのに、なんとなく昔読んだ本を再読してしまった12月前半。まあいいか。残りの積読本も、どんな動機付けで今後読んでいくのか、スケジュールもなんとなく決めてるし。そこにポッカリできちゃった空白を埋めるのなら、再読ってのもありかなと思っている。

◇◇◇◇

武士道ジェネレーション

武士道ジェネレーション

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/07/30
  • メディア: 単行本

譽田哲也の「武士道」シリーズは、剣道を扱った小説が立て続けに世に出た2000年代後半に、初刊の『武士道シックスティーン』が出てブームの一翼を担った。剣道を通じて知り合った女子高生のお話なので、40代(当時!)のオッサンが読むには気が引けたのだが、以後続編が出るたびにわりと早めに反応してどんどん読んでいったものである。

『武士道ジェネレーション』が出たのは2015年。これも発刊直後に夏休みを利用して読んだ。その時に書いたブログの記事は今でも有効だと思うのでリンクしておく。僕は今でも、ジェフのインド行きの有効性については疑問である。

そんな本をなんで今頃?―――前回のブログでも述べたけど、僕が東京で稽古してた頃に知り合いになった諸先生方、諸先輩方の中に、「香織」「早苗」「充也」っぽい方々がいらっしゃったが、うち僕が勝手に「香織」だの「早苗」だのとイメージしている方々が、揃ってブータンにお越しになり、12月2日に日本大使館が主催した「ジャパンウィーク」のオープニングイベントで、ティンプーの時計塔広場で剣道をご披露なさったからである。

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《香織 vs. 早苗、っぽい?》

公の場で剣道具着用の有段者同士が剣道を披露したのはブータン初、しかもうち2人は青年海外協力隊派遣経験もある女性剣士であった。その2人の先生方の立ち居振る舞いが、香織と早苗がもう少し年齢を重ねたらこうなっていくんだろうなというのをイメージできる。

それが動機で今回再読したのだが、前回のブログでの紹介記事であまり書いていないことで、自分が精進していくにあたって気付かされたこともあった。これだから再読もたまにはせねばと思うのである。

剣道はな、段階が上がれば上がるほど、相手を意のままに動かして打ち込む勝負になっていくんだから。今のお前みたいに、自分の身体能力だけでどうにかしようとする戦い方には限界があるんだ。
―――はい、その通りです。これができなければ僕自身も次の昇段はないと改めて思った。そんなの剣道やってる奴にとっては当たり前だろと言われるかもしれないが、年齢とともに進む体力の衰えに抗おうとして、ややもすれば忘れるポイントだし、こんな重要なことをこれほどシンプルに描いてくれてるところがありがたいと思う。

もう1つは、香織が充也から学び始めた「シカケとオサメ」という稽古も、前回読んだ時はあまりそう感じなかったのでブログに書いてないのだが、これって、僕たちが習っている剣道が、剣道を知らない人との格闘シーンでどう役に立つのかを考えるとこうなるというものなのではないか、そう思った。僕たちは実戦で役立つと思って稽古を積んでいるけど、本当に戦場に身を置いた時、メンやコテ、ドウ、ツキをオーソドックスに繰り出しても確実に仕留められるかどうかわからない。(それを特に痛感するのはツキを繰り出す時で、お互い動いている状態で、しかも呼吸が乱れたり疲れていたりと体調も一定しない中で、確実に喉元を突くのは容易なことではない。)

そういう、異種格闘技戦みたいなものも加味して形として練り上げられたのが「シカケとオサメ」ということなのでしょう。そして、それを突き詰めていって相手の攻撃を全てオサメてしまえば、自ずと相手は攻撃の糸口が見出しにくくなり、結果として、香織対ジェフの無規則試合のような、「戦わずして勝負が決まる」ような決着の仕方になる。柳生宗矩の「活人剣」―――みたいな。

そんな境地にまで至れば僕も死ぬ前に七段ぐらいまでは行けないだろうか(笑)。まあそんなことはもっと稽古して修行を積まないとダメなのだろうけど、今回の再読では自分がこれからどんな稽古をしていくべきなのかという行動につながる読み方ができたのがよかったと思う。

ところで、今回読了して最後の謝辞を見たら、著者の取材協力で東京外国語大学体育団体協議会剣道部というのも入っていた。外大剣道部のOB/OGの方にも数名知り合いがいるが、それで余計に本書が身近に感じられた。

タグ:剣道
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