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『世界はシステムで動く』 [持続可能な開発]

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

  • 作者: ドネラ・H・メドウズ
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2015/01/24
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
『世界がもし100人の村だったら』を生んだドネラ・メドウズに学ぶ「氷山の全体」を見る技術。株価の暴落、資源枯渇、エスカレートする価格競争…さまざまな出来事の裏側では何が起きているのか?

ブータンに来る直前、枝廣淳子・内藤耕『入門!システム思考』を読んだ。その時は「入門」―――のつもりだったので新書版のこの本から入ったわけだけど、その時に、機会があれば本家システム思考のドネラ・メドウズの著書もそのうち読もうと考え、赴任前に購入して、ジリアン・テット『サイロ・エフェクト』なんかと一緒に、ブータンに持って来ていた。タコツボで部分最適な方策ばかりを実行していて、全体を見ていないと、期待されたほどの成果が出せない。このことはブータンでも結構感じることが多く、その気になって「システム思考」を勉強でもしておれば、赴任からの2年8カ月の働き方も変わっていたのではないかと思われる。

また、ドネラ・メドウズといったら1970年代初頭に有名な『成長の限界』の著者でもあり、「持続可能な開発」や「SDGs」が喧伝される昨今、その著書が再び注目されている学者兼ジャーナリストの1人である。だから、SDGsを考えるならメドウズの著書は読んでおこうとも考えたのだが、この国でSDGs、SDGsとやいのやいのと言いつつ、でもその主流化の取組みを国連が独り占めしている状況だから、元来あまのじゃくな僕は、「じゃあもうええわ」と思ってブータンではSDGsについて口を開く回数を減らしていった(勿論、やることはやっている)。なので、SDGsを考えるならメドウズ、という意識も徐々に薄れてきていて、結局今日まで読む気が起きなかった。

それでも今手に取ったのは、自分の任期も残り僅かになってきており、積読状態の本をできるだけ圧縮しておきたいという気持ちからに過ぎない。

で、読んでみてどうだったかというと、正直言うとものすごく読みづらかった。

評価が分かれる本だと思う。いいと激賞している読者もいれば、読みにくいと酷評されている読者もいる。僕も読みづらいと思った。この本こそ「木を見て森を見てない」ような記述になっているような気さえしてしまう。翻訳が悪いという気はあまりしない。翻訳者は単著で何冊も出されている人で、著書が特段読みにくいと思ったこともないので。でも、なんでこんな構成になっちゃっているんだろうかと首は傾げるところも多かった。だから、巻末に日本人有識者による「解説」が補足されているのだろう。

システム思考についてかじっておきたければ、僕レベルの読者であれば、枝廣・内藤で十分だとすら思ってしまった。

読みにくさの理由を僕なりに考えてみると、それが「システム」だというケースが散発的に次から次へと出てきて、1つ1つのケースに深く踏み込んでいないところにもあるのではないかという気がする。個別のケースから帰納して、概念化を図ろうとされていたのだろうと想像はするが、そこまでアカデミックに突き詰めなくても、僕レベルの読者なら、自分が今直面している課題に取り組むのに類似のケースはないのかどうかで理解してみたいと考える。だから、構成がそもそも読者のニーズに合ってないところもあったのではないかと想像する。

だから巻末の20ページ以上にもわたる「解説」が生きてくる。これを読んだら結構理解できるのだが、これを読むなら本書は図書館で借りるのでも十分な気がした。ただ、この解説を読んでふと思ったのだが、今ブータンで大変な問題になっている若者の日本での就学就業プログラム「Learn and Earn」のように、ステークホルダーが国境をまたぐどころか相当遠方の2カ国の間に存在する場合、システム思考ではどうやって理解して解決策を見出していったらいいのか、とかく国際的な課題に対して実際の実践はどのようにされるのがいいのかがよくわからないなという気がした。

今のところは本格的にシステム思考を学ぶ段階にはないので、僕はしばらくは本書に再チャレンジはしないだろうと思う。原書の構成の問題もあるのだろうから、原書を読む気にもならないが、訳本の恒例として原書の方も末尾で紹介しておく。

Thinking in Systems: A Primer

Thinking in Systems: A Primer

  • 作者: Donella H. Meadows
  • 出版社/メーカー: Chelsea Green Pub Co
  • 発売日: 2008/12/03
  • メディア: ペーパーバック


◇◇◇◇

さて、2018年の読書日記も本書で締めとなりました。最後の1冊でギブアップ宣言しちゃったので、後味の悪さはあるものの、読書メーターで管理している読了書籍の冊数は124冊。今年はよく頑張ったと思います。来年は図書館で本が借りられる環境に戻ると思うので、このブログも読書日記色が強くなるでしょう。もっと読めるだろうし、この3年の間に出た本にも挑戦できるのが楽しみです。2019年もよろしくお願いします
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