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『ESG経営ケーススタディ20』 [持続可能な開発]

ESG経営 ケーススタディ20

ESG経営 ケーススタディ20

  • 編著者: 日経エコロジー
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容紹介
近年急速に注目を集めるESG(環境・社会・ガバナンス)経営
最新20社の事例に基づき、ESGへの取り組みがビジネスに役立つ具体例を詳しく解説
いま「環境経営」は「ESG経営」へと大きく進化しようとしています。グローバル企業は従来の環境対策に加えて、世界が抱える社会課題の解決や生物多様性に配慮した経営を強化しています。投資家や金融機関も、ESGに優れた企業に投融資する動きを加速させています。今後、日本企業もESG経営が求められるでしょう。従来の環境対策やCSR活動に加えて、より一層の温暖化対策の推進、貧困や人口減少などの社会課題解決、天然資源の持続可能性に配慮した調達などを進めなくてはなりません。
本書は、ESG経営のヒントになるケーススタディー集です。環境・CSRの専門誌『日経エコロジー』は先進企業を多く取材し、連載「ケーススタディ環境経営」で取り上げています。本書はその中から読者の人気が特に高かった20社を紹介しています。全事例とも、専門記者が経営者や環境・CSRの担当役員などの幹部取材と、事業の現場に足を運んで取材して執筆。
≪掲載企業一覧≫ コニカミノルタ/大日本印刷/デンソー/TOTO/大和ハウス工業/川崎重工業/積水ハウス/竹中工務店/清水建設/リコー/佐川急便/コマツ/積水化学工業/イオン/サントリーホールディングス/住友林業/三菱地所/日立造船/東レ/ヤマハ発動機

積読蔵書圧縮計画、10月分の第二弾はこの本。去年、ある国際会議に事前論文提出を求められ、参考文献候補として考えてアマゾンで注文した。内容的に自分の書く論文と関連性があるのかどうかがわからなかったが、書店店頭で立ち読みすることもできず、取りあえず「ESG」と付いていたのでリスク承知の上で発注した。そして見事に外れてしまった。少なくとも、論文執筆には役には立たなかった。

それを今読んだのは、これは単に積読状態解消を急がねばという義務感以外の何ものでもない。

こういう、新聞や雑誌で連載されたシリーズを、ある程度原稿がまとまってきたところで本にするというのは、僕も同じようなことを会社で担当したことがあるから、編著者側の気持ちはわかる。でも、一方で、これを買う人はどこをどう読むのだろうかという疑問も湧く。

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タグ:SDGs
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『暮らしの質を測る』 [持続可能な開発]

国連人間開発指数2017で134位に
Bhutan ranks 134 in 2017 UN Human Development Index
BBS、2018年9月24日、Sherub Dorji記者
http://www.bbs.bt/news/?p=103990

2018-9-24 BBS.jpg
【ポイント】
ブータンの人間開発指数(HDI)は2017年に0.612となり、これは2005年の0.510から大きく改善。長寿化、就学率改善、1人あたり国民所得の改善等が貢献。2005年以降、ブータンの出生児平均余命は64.9年(2005年)から70.6年(2017)に、学校就学年数もほぼ倍増した。経済面では、1人あたり国民所得は4,000ドル強(2005年)から8,000ドル強(2017年)に上昇。

一方で、経済活動やエンパワーメントにおける男女間の不平等は依然としてHDI改善の足枷になっている。女性議員の比率、の女性は中等教育修了率、女性の労働参加の割合等がその指標となる。女性議員の比率は、ネパールに場合は29.6%、南アジア地域平均で17.5%だが、ブータンはわずかに8.3%である。また、女性の中等教育修了率はブータンの場合わずか6%であり、これは男性の13.7%と比べてはるかに低い。ネパールの場合は少なくとも27.3%の女性が中等教育を修了している。女性の労働参加率は58%で、男性と比べて約25ポイントも低い。こうして、ジェンダー不平等指数(GII)では、ブータンは160カ国中117位にとどまる。

◇◇◇◇

国際機関や国際シンクタンクがこの手の国際比較データを公表するたびに、ブータンではしっかり報じられる。国連開発計画(UNDP)の出す人間開発指数(HDI)や、世界銀行の投資環境評価(Doing Business)等がその典型例だ。国際社会からどのように見られているのかを非常に気にしている様子が窺える。国連の眼を気にしているから、記事の中でのジェンダーの扱いもほぼ特出しに近い。少なくとも、日本に較べたらちゃんとやってるようには見える。日本でHDIをメディアが取り上げることなどほとんどない。

BBSのこの報道は、先にクエンセルが9月18日付の記事で取り上げたのを受けてのものだと想像する。テレビと新聞とメディアは違っても、両者の間にはどうやらライバル心があるらしい(その割に、クエンセルの記者は僕の剣道の取材には来てくれないが)。クエンセルの方では、ランクコンシャスなメディアらしく、189カ国中135位(2017年)から134位(2018年)にランクアップしたことを中心に報じている。

中等教育修了率は男女ともに僕らば思っているよりは低いという印象だが、これは中等教育が普及し始めた時期が最近なので、中等教育修了者が人口の大半を占めるようになるまで、あと20~30年ぐらいかかって徐々に改善されていくのだろう。

ところで、今日はブータンHDIは前置き。本論は本の紹介である。

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『スモール・イズ・ビューティフル』 [持続可能な開発]

スモール イズ ビューティフル (講談社学術文庫)

スモール イズ ビューティフル (講談社学術文庫)

  • 作者: F・アーンスト・シューマッハー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/04/07
  • メディア: 文庫
内容紹介
1973年、シューマッハーが本書で警告した石油危機はたちまち現実のものとなり、本書は一躍世界のベストセラーに、そして彼は“現代の予言者”となった。現代文明の根底にある物質至上主義と科学技術の巨大信仰を痛撃しながら、体制を越えた産業社会の病根を抉ったその内容から、いまや「スモール・イズ・ビューティフル」は真に新しい人間社会への道を探る人びとの合い言葉になっている。現代の知的革新の名著、待望の新訳成る!

これまで何度か挑戦を試み、その度に跳ね返されてきた本書。先週末からインドに行く機会があり、その行きのフライトの中で読み始め、インド滞在の最初の2日間で読み切った。以前イアン・スマイリー『貧困を救うテクノロジー』をご紹介した際にも、「本書を理解する前提としてシューマッハーの『スモール・イズ・ビューティフル』を読んでおくと良いかもしれない」と書いていたので、前掲書の再読を果たしたこの8月、できるだけ間髪入れずにシューマッハーの著書にも挑戦すべきだと思っていた。今は終わってホッとしているところである。

本書はいろいろな立場の人がいろいろな読み方ができると思う。第2部第4章「原子力――救いか呪いか」なんて、福島以降論争が喧しい原発開発の可否について、シューマッハーが1967年には警鐘を鳴らしていたことがよくわかる記述になっている。また、以前クレア・ブラウン『仏教徒の経済学』をご紹介した際にも少しシューマッハーに関する引用をしたが、クレア・ブラウンの著書は『仏教徒の経済学』と銘打っている割には「持続可能な開発」全般の啓蒙書のような感じだったが、『スモール・イズ・ビューティフル』の中の第1部第4章「仏教経済学」の方はもっとシンプルに「仕事」というものの捉え方についての従来の経済学と仏教経済学というところに絞っての違いとして論じられている。

元々著者が各所で行った講演や執筆論文をまとめた本なので、取りあえずテーマに合わせて1章ずつ集中して読むというのでいいと思う。通読すると、所々記述の重複もあるし、自分の関心と必ずしも合わない章はやっぱり読みづらく、どうしても時間がかかってしまう。『貧困を救うテクノロジー』の趣旨から言って、今回の読み込みで僕が注目していたのは「中間技術」に関する記述だったので、特に第3部の最初の3章――「開発」「中間技術の開発を必要とする社会・経済問題」「二〇〇万の農村」あたりを集中的に読み、そしてマークした。

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『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』 [持続可能な開発]

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

  • 作者: 出雲 充
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

内容(「BOOK」データベースより)
世界で初めて「ミドリムシの屋外大量培養」に成功し、ダボス会議「ヤング・グローバル・リーダーズ」にも選出!全世界待望の「地球を救うビジネス」とは?―――。
前回、イアン・スマイリー『貧困を救うテクノロジー』をご紹介したので、同じような文脈で2冊目の本を読んだのかと思われるかもしれないが、実は読むことにした経緯はちょっと違っていて、ミドリムシの本を読もうと思ったのは、このユーグレナ社がブータンにもビジネス可能性調査で来られているからである。
JICA「途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)調査」に ブータン王国でのキヌア生産・販売体制構築の事業調査が採択されました
2017年7月11日
 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、JICAが行う「途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)調査」として、ブータン王国での『小規模農家の収入向上および栄養改善のためのキヌア生産・販売ビジネス調査』が採択されましたことをご報告します。
 ブータン王国は人口の半数以上が農業に従事する農業国ですが、山岳地帯が多く、農業に適した土地が少ないため、多くの小規模農家が貧困状態に陥っています。
 そのような中、本調査では、高地にて安定して栽培が可能なうえ栄養価が高く、北米などで需要が高いキヌア栽培の技術指導を実施します。また、栄養価に関する食育、海外輸出に向けたバリューチェーンの確立に取り組むことで、ブータン王国の食料問題および農村の貧困問題の解決を目指します。本調査はブータン王国農業省、伊藤忠商事グループなどと協力して実施する予定です。
 なお当社は、バングラデシュ人民共和国にて、日本の農業技術の指導を行うことで現地農家による良質な緑豆栽培や、バングラデシュ人民共和国内外での緑豆販売のバリューチェーンの構築を行う『緑豆プロジェクト』を2014年10月より推進しており、その知見とノウハウを本調査に活用していく予定です。
 今後も当社は、経営理念である「人と地球を健康にする」ことに向けた取り組みを実施してまいります。
ユーグレナ社HPより

従って、冒頭から言っておくと、本書ではキヌアの話は一切出てこないので注意が必要である。僕はミドリムシからの事業拡大でどうやって緑豆やキヌアがスコープに入ってきたのかという経緯が知りたかったのだけれど、本書は2012年発刊であり、どうやら緑豆やキヌアはその時点では未だ同社のスコープには入っていなかったらしいというのがわかった。

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再読『貧困を救うテクノロジー』 [持続可能な開発]

貧困を救うテクノロジー

貧困を救うテクノロジー

  • 作者: イアン・スマイリー
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: 単行本

Mastering the Machine Revisited: Poverty, Aid and Technology

Mastering the Machine Revisited: Poverty, Aid and Technology

  • 作者: Ian Smillie
  • 出版社/メーカー: Practical Action Pub
  • 発売日: 2000/11/01
  • メディア: ペーパーバック

邦訳が発刊された直後の2015年12月以来の再読となる。前回も指摘していることながら、邦訳は悪い本ではないのだが、2015年9月に「持続可能な開発に向けた2030アジェンダ」と「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連で合意され、その策定プロセスで南北間対立の1つの焦点となったのが「科学技術イノベーション(STI)」だったことから、そこへの打ち込みを勘案してかなり急いで発刊されたのではないかと思われるふしがある。拙速感を感じさせられるポイントは2つあり、1つは本書に出てくる引用の出典元を明記していないことと索引を付けていないこと(これは相当にクリティカル)、2つめは翻訳者ないしは有識者による作品解説がないことである。特に、出典明記や索引を省くような編集をなぜ本書ではあえてすることにしたのか、翻訳者なり編集担当なりからの説明があってもよかったのではないかと思える。だから原書も読めという、今回僕がやった方法にまで持って行って原書も売ろうなどと考えていたのであれば、出版社側の慧眼だったと言わざるを得ないが。

2つめのポイントについては、MITのD-Labの遠藤謙氏の巻頭緒言を載せることで解説を省いたのだと編集側では言いたいのだろう。遠藤氏の解説はこれはこれでいい。D-Labの説明・宣伝にはなっているので。原書『Mastering The Machine Revisited』をMITのテキストとして読んだ遠藤氏が何を本書から学んだのかを知る意味でも参考にはなる。しかし、作品解説にはなっているとはとうてい思えない。

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『ソーシャルパワーの時代』 [持続可能な開発]

ソーシャルパワーの時代―「つながりのチカラ」が革新する企業と地域の価値共創(CSV)戦略

ソーシャルパワーの時代―「つながりのチカラ」が革新する企業と地域の価値共創(CSV)戦略

  • 編著者: 玉村雅敏
  • 出版社/メーカー: 産学社
  • 発売日: 2016/07/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
出版社からのコメント
大好評『ソーシャルインパクトー価値共創(CSV)が企業・ビジネス・働き方を変える』の著者陣による2年ぶりの新刊!最新事例をもとに、ソーシャル・キャピタルを醸成し、つながりのチカラで社会インパクトを創出する方法を解説。共創の時代を見通すための1冊。

6月上旬、当地にお越しになられた慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの玉村雅敏教授と短時間ながらお話させていただく機会があった。そこで玉村先生から謹呈下さったのがこの本で、6月の喧騒がようやく終わったので、三連休となった週末を利用して、ようやく読み終えることができた。

僕と同じ業界の人が執筆陣の取材への協力者として何人も出てくるが、玉村先生から本書をいただいた直後、あとがきで列挙されていた取材協力者の中に、僕が社会人になって最初に勤務した金融機関の支店にお勤めだった先輩のお名前があったので驚いた。「社会価値と経済価値の共創を促すインフラをつくる金融機関」として紹介されている飛騨信用組合の取材協力者の筆頭に名前が挙がっていて、念のために玉村先生にお尋ねしたところ、確かに岐阜の別の地方銀行からひだしんに転出した僕の先輩であった。僕が転職せずに、大学を終えて最初に勤めた地方銀行でそのまま勤め続けていれば、こういう面白い仕事も岐阜でできたのだろうなと思った。

「価値共創(CSV)」というキーワードで、つながりのネットワークを作っていくことが社会にインパクトを作り出していくという具体的な事例を、企業の取組み、地域の取組み、それに国際協力分野でのJICAの取組み等からいくつも取り上げて詳述されている。各々の各論部分での課題といったものにはあまり触れられていない。基本的には良い面が常に強調されていて、読めば自分自身でも何かができるのではないかと思えるヒントが詰まった1冊となっている。

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『町を住みこなす』 [持続可能な開発]

町を住みこなす――超高齢社会の居場所づくり (岩波新書)

町を住みこなす――超高齢社会の居場所づくり (岩波新書)

  • 作者: 大月 敏雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/07/29
  • メディア: 新書
内容紹介
人口減少社会における居住は、個人にも、地域にも、社会にも今や大問題。「一家族一住宅一敷地」という考え方はもはや古い。住宅に求めるものは、長い人生のステージに合わせて、さまざまに変遷していくことに注目。町の多様性をいかに担保していけるか。居場所づくりのユニークな事例を多数紹介し、これからの住まいのあり方を考える。

積読蔵書のクリアランスを久々に再開した。昨夜から今日にかけて、1冊読み切った。この本は昨年末に一時帰国した際に購入、一時期人口高齢化に関する書籍をやたらと読み漁っていた2006~07年頃のことを思い出し、ついつい衝動買いしてしまったものだ。

サブタイトルに「超高齢社会の居場所づくり」とあり、そこに惹かれて買ったものだが、実際に読み始めてみての印象はもっと都市計画に近く、20年後、30年後にどのような町であることが望ましいかを考えつつ、居住政策を誘導していかないといけないと説いている。キーワードは「35歳と生まれたて」で、短期的な利益を考えて住宅開発を進めると、世帯主が35歳前後で、小さな赤ちゃんがいる世帯がそこに集中し、そのコホートがそのまま20年後、30年後まで持ち上がり、子どもは成長して家を出てしまうと、高齢者ばかりのコミュニティが出来上がることが予想されるとしている。いわゆるニュータウンの高齢化の問題がそれである。

そこで著者が示しているもう1つのキーワードは「町の多様性」―――人口構成や世帯構成の多様性、建物の持つ機能や用途の多様性、家族間のやり取りの多様性、移住と定住の間にある地域への根付き方の多様性、地域に存在すべき「居場所」の多様性等を包含して、「町の多様性」という言葉でまとめている。

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『デザイン思考が世界を変える』 [持続可能な開発]

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

デザイン思考が世界を変える (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ティム・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/05/10
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
人々のニーズを探り出し、飛躍的発想で生活を豊かにする―それが「デザイン思考」だ。研究や開発部門だけでなく全社的に浸透させれば、組織は持続的にイノベーションを生み出すことができる!その推進役として世界に名を馳せるデザイン・ファームIDEOのCEOが、デザインとイノベーションの重要性を熱く語り、組織を蘇らせる方法や社会問題を解決するための秘訣を経験談とともに明かす。

怒涛の6月を終えて、これからの3カ月は比較的「凪」状態。積読本の在庫一掃計画を再開しようと思っている。その第一弾は、米カリフォルニア州パロアルトにあるデザインコンサルティング会社IDEOのCEOが書いたデザイン思考に関する本である。

振り返れば3年ほど前、「デザイン」と名の付く本を集中的に読んでいた時期があった。当時高1だったうちの娘が大学でデザイン専攻したいようなことを言っていて、僕自身も仕事を通じて元プロダクトデザイナーだったという方と知り合いになったりしていて、どうせデザイン専攻するならプロダクトデザイナーを目指してくれないかなという思いもあったので、オヤジとしては先回りして勉強しとこうと考えた。但し、デザインはデザインでも、「コミュニティデザイン」という言葉にはちょっと拒否反応があって、コミュニティデザイナーがやっていることについては理解はできるものの、単に言葉の響きがあまり好きではないなと感じた。(結局、うちの娘はシステムデザイン専攻を偏差値が圧倒的に足りずに断念し、辛うじて拾ってもらえた某女子大に進学し、専攻も変えてしまった。)

本書の主題となる「デザイン思考」は、IDEOの歴史を振り返るとプロダクトデザインからスタートしているのかなと思うが、本書でも語られている通り、無味乾燥な製品にデザインで独自のフレーバーを付けたらおしまいというのではなく、その製品が使われる環境に関する十分な洞察を図り、人間工学的な考察も加えて、広く長く使われる製品を作り出すという、途中の過程を見る限りは、相当包括的で他分野の知見を総合する実践が図られていて、これはシステムデザインやコミュニティデザインにも適用される取組みなんだろうなと改めて思った。

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『地元経済を創りなおす』 [持続可能な開発]

地元経済を創りなおす――分析・診断・対策 (岩波新書)

地元経済を創りなおす――分析・診断・対策 (岩波新書)

  • 作者: 枝廣 淳子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: 新書
内容紹介
人口減少、駅前のシャッター通り、あきらめ、……。地元経済の悪循環を断ち切る方策はないのか。現状を可視化し、お金や雇用を外部に依存する割合を減らすための考え方やツール、好循環に転換した事例の数々を示す。次なる金融危機やエネルギー危機、気候変動危機に対する「しなやかに立ち直る力」(レジリエンス)をいま地元から。

来週、島根県海士町の方がブータンにいらっしゃるらしい。Facebookで友人になっている方の情報では、文部科学省の日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)から予算を取って、「「学校を核とした地域創生」の海外展開モデル事業〜ブータン学校魅力化プロジェクト〜」というのをご検討されているらしい。

海士町がブータンにご関心をお持ちであるというのはかなり前から知っていたので、ブータンで何をなさりたいのかを知るために、年明け以降、意識的に海士町に言及がある本を読み込んできた。今回ご紹介するのもそんな1冊。文科省のお金だから教育の色が付いているのは仕方ないと思うけれど、僕的には枝廣さんが本書で書かれている「漏れバケツ」という、地域からの漏れをいかに減らすかという考えの方がしっくり理解ができる。

ブータンの経済自体がまさに「漏れバケツ」状態だ。外国からの援助の受入や外国企業の誘致、観光の誘致などを行っても、国外の建設業者や建設作業員への支払いや、国外で生産されている部品の代金、国民が国外から購入する物やサービスの代金、さらには外国留学や出稼ぎ労働者として、資源が漏れていく。だから、本書で言われていることをそのままブータンに適用すれば、「いくらお金をブータンに「引っぱってくるか」「落とすか」ではなく、「ブータンからのお金の流出を減らす」こと、つまり、「いったんブータンに入ったお金を、どれだけブータン国内で循環し、滞留させるか」が大切」(p.22の記述を援用)ということになる。本書から学べることは、「いまのブータン経済の穴は大きすぎ、多すぎるのではないか、それを少しでもふさぐ努力をすることで、ブータン経済に残るお金が増え、ブータン経済の活性化やブータンの人々の幸せにつながるのではないか」(p.23の記述を援用)ということである。

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仏教徒の経済学 [持続可能な開発]

Buddhist Economics: An Enlightened Approach to the Dismal Science

Buddhist Economics: An Enlightened Approach to the Dismal Science

  • 作者: Clair Brown
  • 出版社/メーカー: Bloomsbury Pub Plc USA
  • 発売日: 2017/02/21
  • メディア: ハードカバー
内容紹介
 シューマッハーの良著『スモール・イズ・ビューティフル』から続く思想に添い、経済学者クレア・ブラウンは、平等、持続可能性、そして正しい生活を基盤にした新しい経済学を論じる。
「仏教徒の経済学は、平和、公平、環境の持続可能性を求めるすべての人々に指針を与えるものになるだろう」―――『持続可能な開発の時代』の著者ジェフリー・サックスはこう述べる。伝統的な経済学では、我々が得た所得を何にいくら費やすかを測定するが、我々の生活に意味をもたらす重要な人間のつながりに価値を置いていない。
 本書において、カリフォルニア大学バークレー校の経済学者で、かつ自身も仏教の実践者であるクレア・ブラウンは、生活の質は国民所得以上のものでなければならないという考えに基づいた包括的なモデルを開発した。ブラウンは、価値観、持続可能性、および資本の問題を克服するのではなく、経済を組織化するアプローチを提唱している。
 仏教では、相互依存性、繁栄と幸福、思いやりのある世界を重視する。仏教徒の経済学は、私たちが日々の活動に慣れていくにつれて慎重に考えるようになり、私たちの行動が私たちの周りの人々の福祉にどのように影響するかを理解する方法を提供する。 無限の欲望のサイクルをより積極的な集団活動に置き換えることによって、私たちの生活をより意味深く、幸せにすることができる。

昨年11月、当地で開催されたGNH国際会議の初日第1セッションで登壇されたUCバークレー校の労働経済学者クレア・ブラウンの著書。パネル討論の中でも本書を宣伝されていた。本を出すとこういう場に声がかかるのだということと、そういう場を利用して本をさらに宣伝することもできるのだというのを、改めて感じた。お陰で読んでみようという気になったわけで、宣伝効果は確かにある。

僕もブータン駐在生活が2年を超えたので、就労許可証所有外国人は継続して3年以上いられないというこの国の入国管理制度のしばりもあって、どう考えてもあと最大9カ月ほどしかいられない。この国を去る日がその9カ月の間のいつなのかがわからないので、それまでに何を済ませるのかは考えるのが大変だが、ブータンを去った後何をしたらいいのかはよく考える。ブータン学会とか友好協会とかに入会を勧められたりもするのだが、3年弱ブータンに住んだからといって、この国を理解するのに十分だとはとうてい思えないし、ブータンを愛しておられる日本人の方々は大勢おられて、僕の拙い知見をけちょんけちょんにされるのも悩ましい。それに会費払えるほどの経済的余裕もない。僕の場合はネパールとインドにも友人がいて、そのネットワークがブータンでの仕事を多少やりやすくしているところもあるので、もうちょっと広い枠組みで物事を捉えたいという気持ちもある。

とはいっても、僕も非常勤ながら院生に「持続可能な開発」や「SDGs」を説く立場にある。そういう視点でブータンを2年近く見てきたのは自分の売りでしょうね。

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