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息抜き [読書日記]

先週から今週にかけて、あまり体調が良くない日々を過ごしています。原因はその前の3週間の無理にあります。それらをやり終えてホッとしたところ、燃え尽き症候群のようになってしまって、次の取組み課題に向けてエンジンをかけ直すのに四苦八苦しています。先週土曜日は昼過ぎまで爆睡し、残りの週末は意識的に仕事のことは忘れるようにしました。多分今週末も同じような過ごし方をするでしょう。なので、取りあえずは先週末から今週にかけてやっていた息抜きについて書いておきます。マンガです。

僕はまだ野球を知らない(1) (モーニング KC)

僕はまだ野球を知らない(1) (モーニング KC)

  • 作者: 西餅
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: コミック

僕はまだ野球を知らない(2) (モーニングコミックス)

僕はまだ野球を知らない(2) (モーニングコミックス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/23
  • メディア: Kindle版

商品の説明
高校野球の監督をするのが夢だった物理教師・宇佐智己(うさともき)は、念願叶って浅草橋工業高校野球部監督に就任。チームを勝利に導くために、野球の統計学を提案する。根性でも気合でもない、データに基づいた「効率の良い努力」とは何か? 新生野球部、始動!!

祝・プロ野球ペナントレース開幕!贔屓のドラゴンズは今年もあまりパッとしないけれど、野球を扱った作品には惹かれるものがあり、それで読んでみたのが西餅さんの新作。セイバーメトリクスを駆使した高校野球ってのは今までなかった作品なので、既刊の2冊は続けて読んでしまった。西餅さんといえば『ハルロック』。新作の舞台も浅草橋工業高校なので、野球部顧問として、あの「はんだ萌え」の河原崎先生が再登場している。全体がギャグというわけではないが、所々に笑いのツボが仕込まれていて、爆笑することでストレスも少しだけ解消できたかもしれない。

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『語る歴史、聞く歴史』 [読書日記]

語る歴史,聞く歴史――オーラル・ヒストリーの現場から (岩波新書)

語る歴史,聞く歴史――オーラル・ヒストリーの現場から (岩波新書)

  • 作者: 大門 正克
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/12/21
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
文字史料だけでなく、聞き取りによる歴史の重要性に光が当てられて久しい。しかし、経験を語り、聞くという営みはどう紡がれてきたのか。幕末明治の回顧、戦前の民俗学、戦争体験、70年代の女性たちの声、そして現在…。それぞれの“現場”を訪ね、筆者自身の経験も含め考察、歴史学の可能性を展望する初の試み。

僕は物忘れがひどいので、ブータンに来て以来毎日日記を欠かさない。それで振り返ってみると、2月26日(月)から3月17日(土)まで、仕事から完全に切り離されたことがないのがわかった。ついでに言えば翌18日(日)も、たまっていた業務用メールのチェックを済ませて週明け以降の仕事の段取りを付けるため、フルタイムで出勤した。そしてそのまま今週になだれ込んだのだが、そこで自分のからだの変調に気付いた。仕事がらハシゴを外されるようなことは何度も経験しているが、そういう事態に対して、メラメラと燃え立つような反発心が内から湧いて来なくなった。17日で仕事の大波はひと段落したので、達成感はあったのだが、その後の気力の落ち込み方は、自分が自分自身を「危ない」と思った2007年2月以来だ。

およそ自分がブータンに住んでいるとは思えないような言い口だ。ブータンで心と体のバランスを崩すなんてシャレにもならない。幸いなことに、その時の経験もあるし、今は仕事の上では大きなヤマ場を終えて自分でも多少の時間の調整が利くようになったので、ちょっとだけ仕事をセーブするようにしている。ただ、なんでこんなことを前置きで書いたかというと、本書の記述がほとんどまともに僕の頭に入って来なかったからである。要するに、心と体のバランスを乱している状態で読むには、本書は難しすぎたということだ。

なぜそんな本を今読んだのかというと、仕事もひと山越えて、4月以降の自分のあり方を考えた時に、昨年夏以降やりたいと思っていたのにやれてなかった当地でのライフヒストリー・インタビューを、あるグループの人々にやっておきたい、僕にとってもブータンでも最後の1年になると思うので、今のうちにデータを取っておきたいと考え、その景気づけに岩波の近刊を読むことにしたのであった。本書は年末年始を日本で過ごした時に、「オーラル・ヒストリー」というサブタイトルに惹かれて、中身もあまり確認せずに衝動買いしていたものだ。

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『新教養主義宣言』 [読書日記]

新教養主義宣言 (河出文庫)

新教養主義宣言 (河出文庫)

  • 作者: 山形 浩生
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
「日本的四畳半ウサギ小屋的せまさ」に行き詰まっている現実も、ちょっと物の見方を変えれば可能性に満ちている。文化、経済、情報、社会、あらゆる分野をまたにかけて、でかい態度にリリシズムをひそませた明晰な日本語で、いま必要な新たなる“教養”を読者の脳裏にたたき込む。21世紀の日本人必読の書。

なんでこの本を購入することになったのか、2年以上前の話なので今となっては思い出せない。著者が翻訳で関わった途上国開発関係の専門書は何冊か読んでお世話になっていた。わかりやすい翻訳をされる方だと好感を持っていた。また、途上国開発に限らずで、道を歩けば「山形浩生」に当たるというぐらい、自分の行く先々でその名を見かけたりもした。僕は途上国開発の文脈から山形浩生という名を知ったので、その山形浩生が秋葉原に出入りしてメイカームーブメントにも関わっていると聞き、にわかに同一人物だとは信じられなかった。いったいどういう人物なのだろうかと知りたくて、文庫版を買ってみたというところだろう。

話は脱線するが、「教養」という言葉の意味について、僕が考えるようになってきたのはわりと最近のことだ。読書メーターの読了書籍が1,500冊以上積み上がってくると、僕も捨てたもんじゃないなと自己肯定感も多少芽生えてきたし、読んだ本の中から話のネタを繰り出し、あれとこれを組み合わせたら面白いかもと思えるようになってきた。哲学書や啓蒙書の類、アダム・スミスやマルクス、ケインズの類を読んできたわけじゃないから、その底の浅さは否定はしないけど、ジャンルのバラエティがその底の浅さを多少は補って自分の武器にはなってきているのかなと思い始めてはいる。著者から言わせると、そんなゴミのような本ばかり沢山読んだって真の教養は身に付かないよと馬鹿にされそうだが、僕は僕なりにやっているということで!それに、実際役に立った局面もあったわけだし。

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タグ:山形浩生
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『デジタル・アーカイブの最前線』 [読書日記]

デジタル・アーカイブの最前線 (ブルーバックス)

デジタル・アーカイブの最前線 (ブルーバックス)

  • 作者: 時実 象一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: 新書
内容(「BOOK」データベースより)
災害の悲しい記憶も、映画の名場面が生む感動も、人類が未来に残すべき貴重な「知の遺産」である。だが、それらを守るしくみが崩れつつあるいま、出版物は孤児と化し、映像は再生不能となり、ウェブ世界でも膨大な情報がどんどん消えている。これらを電子的に保存すべく、世界の有志たちが立ち上がり、推進するデジタル・アーカイブ。その考え方、方法から乗り越えるべき問題まで。

2012年という特定の時期に、知の遺産のアーカイブ化について集中的に調べ物をしたことがあった。ある特定のプロジェクトと関連しているけど会社の内外に散らばっている様々な情報をまとめて、デジタルデータは閲覧できるようにして、アナログデータは図書室に補完するような作業をやったことがある。

皮肉なもので、雑食的にいろいろなジャンルの本を読んでいると、時々それらがつながっているように感じることがある。僕が歴史関係の本や宮本常一の民俗学の本を紹介するときによく感じるのが「古文書を有する国の良さ」である。劣化は進んでいても、歴史的建造物や宗教施設、果ては民家に至るまで、保管されているアナログ情報を辿っていくと、その頃何があったのか、誰がいたのか、人々は何を営んでいたのか、何を考えていたのかがわかったりする。歴史学や民俗学の面白さはそこにもある。平安時代の貴族の日記とかが今読めちゃったりするのは、考えてみればスゴイことだと思いませんか?

一方で、デジタル情報って、結構な頻度で更新されちゃったりする。個人レベルでHPやブログ、SNSをやってる分には、ただ単にある器に新しい情報を加えていくだけの話だし、器に手を加えるほどのスキルも時間的余裕もないから、少なくとも自分が生きてる間、プラットフォームが存続する間は情報はどんどん保存されていく。でも、例えば自分の会社のHPを考えた場合、ショボいながらも独自のHPを作った頃(1999年か2000年頃だろうか…)のTOPページってどんな感じだったのか、遡って調べてみることすらかなわない。そもそも容量の問題があって、新しい情報を加えたければ古い情報は削除して空き容量を作るしかない。

ついでに言えば、僕がもし急逝してしまい、家族もソネブロやFacebook、MixiのログインIDとパスワードを知らなかったりすると、僕はサイバー空間上でずっと生き続けることになる。一方、ことHPに関しては、サーバー維持管理手数料が僕のクレジットカードの口座から自動的に引き落とせなくなれば、サーバー維持管理業者は僕のHPを抹消するだろう。

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『満鉄調査部』 [読書日記]

満鉄調査部 (講談社学術文庫)

満鉄調査部 (講談社学術文庫)

  • 作者: 小林 英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/11
  • メディア: 文庫
内容紹介
ソ連研究の中心地であり、満洲国建国に際して経済計画の策定に注力。日中戦争期には占領地の宣撫工作と調査活動とともに、日中戦争の行方を予測する総合調査までも担った。アジア太平洋戦争開戦後は、ビルマ・マラヤの調査までも手がけたが、関東憲兵隊との摩擦により機能停止に。満鉄調査部の活動は、いまでは「日本初のシンクタンク」と評され、そのエッセンスが戦後の経済発展やアジア研究に大きく寄与した。その全貌を明かす。

―――もはや何の脈絡もない読書…(笑)。なんでまた今、この本? そう訊かれても、取りあえず2年以上積読状態で放置されていたから、としか答えられないな。元々は、辛島理人『帝国日本のアジア研究』(明石書店、2015年)を読みたかったのだが、明石書店の本は高くて手が出せなかったため、ジャンルが被る別の本として、『満鉄調査部』に手を出したのではなかったかと思う。

今は未読の文庫本自体があまり手元にない、残っている中にはページ数がかなり多いのもあるため、消去法的に言ってとうとうこの本に行き着いたというのが実態。本文だけなら190頁ぐらいしかないし、文体もやさしくて割とサクサク読めるが、書かれている内容は結構重厚で、読みごたえがある。よく調べられたなというのが率直な感想だ。

処女地の開発に向けた計画を策定するなら、これくらいの調査はやっておく必要があるというのを改めて感じた。この1、2ヵ月のうちに読んできた本には地域おこし、地域づくりに関するものが多く含まれるが、どれもその地域にどのようなリソースがあるのかを予め把握することの必要性を強調していたように思うが、それをある程度の規模で行おうとすると、これくらいの陣容で、通貨金融から、財政貿易、政治外交、産業、交通等まで、分担して調査をしていかないといけないのだろう。

勿論、ある意味これらは植民地経営を円滑に進めるための対象地理解の一環だったのだろうから、目的には賛同できないところもあるにはあるが、それは純粋な地域開発への貢献策を考えるにあたっても言えることで、実態把握はその第一歩だといえる。「地元学」のようなちょっと軽い言葉とは明らかに違うが、「地域を知る」ということにかけては通じるものがあるように思える。

だからといって、何かすぐに今の僕の仕事に役立つかといえばそうでもない。某大学の先生から著書の謹呈を受けて、日本統治時代の満州を扱った本を3冊ほどいただき、積読にしてあるが、いつかそれらを読んでみようかと思う時が来れば、それを補完してくれる文献として、本書にも再びあたってみる日が来るのかもしれない。

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『UXの時代』 [読書日記]

UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか

UXの時代――IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか

  • 作者: 松島聡
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2016/12/06
  • メディア: 単行本
内容紹介
IoTとシェアリングは、産業を、企業を、個人を、どう変えるのか?――すべての鍵は、UX(ユーザーエクスペリエンス)にある。
▼ 5ドルPC、人差し指第二関節大のセンサー、月額数十円のMtoM通信…
IoTテクノロジーは「値段が気にならない」くらい安価で、便利で、手軽だ。
▼ UberやAirbnbは地殻変動の前触れに過ぎない。モノ、空間、仕事、輸送…
産業のあらゆるリソースがIoTで共有される、究極のリソースシェアリング社会が到来する。
▼ 垂直統制から水平協働へ――。企業・産業の枠組みを超えて協働し、
ユーザーに新しい体験を提供する、UXビジネスを創造する企業だけが生き残る。
物流改革からロボット研究、ヘルスケアイノベーション、シェアリングビジネス、トライアスロン事業までを手掛ける日本ロジスティクス大賞受賞の起業家が、今起きている変化の本質と、〈共有型経済のビジネスモデル〉を描出する。

IoT、シェアリング、スタートアップ―――近頃流行りの言葉を組み合わせて、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」という概念提示でまとめている本。同じような議論をチェスブロウ『OPEN INNOVATION』フォン・ピッペル『民主化するイノベーションの時代』等で見かけた気がする。著者はUXを著者独自の概念だと提示しているが、語っておられる内容は「オープン・イノベーション」や「ユーザー・イノベーション」そのものである。

その点では、議論自体に目新しいものがあったわけではない。UberやAirbnbも使い古された事例で、デジャブー感に襲われることも度々。同じような議論が何度も出てくるので、読み進めているという実感がなかなか持てない中で、とにもかくにも230頁を読み切った。

どこを切っても同じような記述が頻出するわけだが、強いて挙げれば、テクノロジーの進化で、これまで不可能だった新しいことがいろいろな分野で可能になり、これを生かした新しい製品やサービスが次々と生まれ、世の中に広まった。ネットの普及で消費者・ユーザーは膨大な情報に触れ、自分に最適で最も手ごろな商品やサービスにアクセスできるようになった。そして単なるモノやサービスではなく、それらを手段として自分たち自身の喜びや満足、すなわちUX(ユーザーエクスペリエンス)を求めるようになった。産業主導の経済は終わり、ユーザー主導の経済が始まっている――という終章の記述あたりが著者の論点かな。

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『新ヒットの方程式』 [読書日記]

新ヒットの方程式

新ヒットの方程式

  • 作者: 物延 秀
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/11/17
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
SNS分析の第一人者が解き明かす、ヒットの仕掛け方。SNSで話題をつくりたい方必見の、ヒットのお手本が満載!知っておきたい用語もわかる!

以前、自分の名刺代わりに本を出すという方法論があることを知ったが、本書はその典型ではないかと思う。著者はスパイスボックスという会社の副社長だが、本書で使われているソーシャルメディア発のヒットの分析に使用したツールは、同社が開発したものである。その集計ツールを使えば、なぜそれがヒットしたのかというのをエビデンスで示すことができそうだ。同社のビジネス拡大には貢献する1冊だろう。

自分が今置かれている文脈の中で、今この本を読むのがどれだけ妥当性があったのかというと、1つだけ言えるのは、著者が終盤でちらっと言及しておられる通り、アジアの開発途上国は、マスメディアが発達する前にソーシャルメディアが普及してしまったので、マーケティングの考え方もソーシャルメディア中心で行かなければならないという点だろうか。確かに、この国の場合、ブータン国営テレビ(BBS)のCM枠はあまり大きくないし、クエンセルの広告欄も、あまり有効に使われているような感じがしない。「売ろう」という熱気もあまり感じない。一方でソーシャルメディアの利用の仕方はマナーもへったくれもなくて、重要な会議の最中でもスマホに目をやっている出席者が目立つ。本気でものを売りたいなら、ソーシャルメディアをうまく駆使したマーケティングのやり方はあり得るかもしれない。勿論、「本気でものを売りたいなら」という条件が付くが。

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『ヒート』&『チームⅡ』 [読書日記]

ヒート (実業之日本社文庫)

ヒート (実業之日本社文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2014/06/05
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるべく、神奈川県知事の号令のもと新設された「東海道マラソン」。県庁職員の音無は日本陸上界の至宝・山城悟のペースメーカー役に、孤独なランナー・甲本剛を起用する。果たして世界最高記録達成はなるか。数多の人間の欲望と情熱を乗せたレースは、まさかの展開に―。箱根駅伝を描いた『チーム』の続編。


チームII (実業之日本社文庫)

チームII (実業之日本社文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2015/10/03
  • メディア: 文庫
内容(「BOOK」データベースより)
マラソン日本記録を持ち「陸上界の至宝」といわれる山城悟は、怪我と所属チームの解散危機で、引退の瀬戸際にいた。傲慢な山城に、かつて箱根駅伝を学連選抜チームとして共に走った仲間がサポートを申し出るが、彼は再起できるのか?熱き男たちの友情、葛藤、そして手に汗握る駅伝レースの行方は?スポーツ小説の金字塔『チーム』7年後の物語。

前作『チーム』を読んだのはいつだったかなと調べてみたら、7年前の1月だった。当時あまりランニングはしてなかったのだが、長男を連れ立って久々に3キロのマラソンを走る前に、景気づけのために読んだと当時のブログには書かれてあった。作品の舞台となった箱根駅伝から7年後、学連選抜チームの監督、メンバーのその後の姿が描かれた続編が『チームⅡ』となるが、その間にもう1つ、同じ登場人物の何名かがでてくる『ヒート』という作品もある。この3作品、勝手に「山城悟サーガ」と命名しよう(笑)。

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『パクリ経済』 [読書日記]

パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する

パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する

  • 作者: カル・ラウスティアラ、クリストファー・スプリグマン
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2015/11/26
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより) 郊外のショッピングモールから街のビストロまで、パクリはあらゆる場所にあふれている。「コピーは創造性を殺す」「法律によるコピー規制がイノベーションには欠かせない」―通常はこう考えられている。しかし、コピーは絶対に悪なのだろうか?本書は、創造性がコピーによってむしろ活性化する場合があることを、ファッション、レストラン、アメフト、コメディアン、フォント、データベース産業など米国で一般的にコピーが合法とされている産業の豊富なケーススタディで明らかにする。なぜそれらの産業は繁栄しているのか?インセンティブとイノベーションの新たな関係を探り、知財ルールの未来を指し示す。

2年前にある研究会に参加した折、出たばかりの本書のことは聞いて知っていた。参考文献にもなりそうな内容だったが、なにせみすず書房の本は単価が高く、中古本でも十分高い。安くなってくるのを待っていたら研究会も終わってしまい、僕自身も海外赴任となってしまった。内容を知らずに2年近くを過ごすのは居心地が悪く、折角だからとこの年末年始の読書リストに本書を加え、図書館で借りて集中して読み込んだ。本文だけで350頁近い大部だが、枠組みは割と単純で、ほとんどが事例の詳述なので、事例に親近感を持てれば、読むのはさほど難しくはない。

特に、この本の中にはアメフトのフォーメーションのイノベーションに関する記述が1つのチャプターとして描かれている。僕のブログのプロフィール画像はルイジアナ州立大学(LSU)のものだが、1980年代半ばにLSUでヘッド―コーチを務めていたビル・アーンスパーガーや、2000年代初頭のLSU黄金時代の基礎を作ったニック・セーバンが実名で登場しており、それだけでも親近感が湧く。本書で言及されているウッシュボーン・フォーメーションは、1980年代後半にオクラホマ大学やネブラスカ大学が多用していたし、それよりもリクルート力で劣るヒューストン大学やテキサス工科大学が弱者の戦術として多用していた「ラン・アンド・シュート」を生で見ていた。そういう昔の経験を振り返りながら、本書を読むのは楽しい経験だった。

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『ソーシャル物理学』 [読書日記]

ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学

  • 作者: アレックス・ペントランド
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2015/09/17
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
組織の“集合知”は「つながり」しだいで増幅し、生産性も上がる。集団を賢くする方法が、ビッグデータで明らかに!のべ数百万時間におよぶ社会実験のビッグデータから、「人間の集団」がもつ普遍的性質を解明。社会科学と人間理解に革命を起こす画期的研究を、第一人者が綴る。

ひと足早いですが、休暇に突入しました。それもあって、移動中の機内読書も含め、今まで読みたくても読めずにいた本を集中的に読み始めたところである。その第一弾が、MITメディアラボのアレックス・サンディ・ペントランド教授の2015年の著書の邦訳である。

ブロガーSanchaiの実名を知っている方ならちょっと驚かれるかもしれないが、僕は2004年夏に我が社が共催者で名を連ねたICT分野の研修で、サンディ・ペントランド教授を日本に招聘したことがある。ブロードバンド・コネクティビティのようなお話をしていただいたと記憶している。昔務めていた組織の当時の上司からの紹介で、ロジの部分だけ担当させてもらったが、当時からICTにそれほど詳しかったわけでもなく、教授がどんなに著名な人だったか、十分イメージもしてないままに受入れ手続きをやっていたというのが恥ずかしい。今、多少なりともビッグデータやIOTについて勉強の必要性を感じるようになってきたからこそ、改めて教授の研究の凄さと幅の広さを痛感する。

「物理学」と付いている点で敷居の高さがあるかもしれないが、「情報やアイデアの流れと人々の行動の間にある、確かな数理的関係性を記述する定量的な社会科学である」(p.16)というと、なんとなくはビッグデータの話っぽいなと感じられるかもしれないが、僕が一時期ハマっていた人的ネットワークの話とも関連する。実際、本書の中でも僕が「おっ?」と思ったのは、トップクラスの研究機関として知られるベル研究所の花形研究者(スター)と平均レベルの研究者との違いを長期間にわたって調べた「ベル・スター研究」に関する記述で、その中の重要な含意として、①スター研究者は自身の持つ人的ネットワークの中の人物とより強固な関係を結んでいて、彼らから迅速かつ有益な反応を得ることができるということと、②スター研究者のネットワークにはより多様な人々が含まれているという2点での平均レベルの研究者との違いを指摘している。

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