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『ものがたりのあるものづくり』 [シルク・コットン]

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

ものがたりのあるものづくり ファクトリエが起こす「服」革命

  • 作者: 山田敏夫
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2018/11/08
  • メディア: 単行本
内容(「BOOK」データベースより)
店舗なし、セールなし、生産工場を公開、価格は工場に決めてもらう―アパレル業界のタブーを破って日本のものづくりを変えた革命児は、「無力」だからこそ仲間を巻き込み、古い常識を飛び越えられた。つくる人、売る人、買う人、誰もが「語りたくなる」メイド・イン・ジャパンの新しいものづくりがここに!

先週末、国際フェアトレードデーのイベントを傍聴していて、登壇された方の多くが、「安いけれど1シーズン終わると着なくなるシャツ」と「少々高いけど愛着があって長く着続けられるシャツ」との対比で論じられていた。

この議論は僕には非常に腑に落ちる。いつも妻には「早く捨てなさい」と言われてしまうが、いつどこでどういう形で手に入れたのか鮮明に覚えているような衣類は、10年経とうが20年経とうが、捨てられない。僕が持っている最古の衣類は、30年前に院生やってた頃に買った、母校のパーカーである。多少色落ちしてても、これって捨てがたい。襟や裾が擦り切れてきたり、穴が開いたり破れたりして、ようやく「もうそろそろ」となるのである。逆に、安くてある程度の数を必要とする肌着や下着、ソックス等ははるかに回転が速い。

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『サステナブルツーリズム』 [持続可能な開発]

サステナブルツーリズムー地球の持続可能性の視点から

サステナブルツーリズムー地球の持続可能性の視点から

  • 作者: 藤稿 亜矢子
  • 出版社/メーカー: 晃洋書房
  • 発売日: 2018/06/10
  • メディア: 単行本
内容紹介
世界で急速に拡大化する観光産業に、今何が求められているかーーー。
「地球環境の持続可能性」について考えることは、現在および将来の観光のために避けて通れない課題である。必要不可欠なグリーン施策や多くの実例も紹介しつつ、有限な地球で求められるサステナブルツーリズムの本質を学ぶ。

これは僕が読書メーター上でフォローしている読書家の方が薦めておられるのを見て、帰国したら図書館で借りて読んでみようと思っていた本である。曰く、「これからの観光業を目指す人のための教科書。持続的な観光がなぜ必要か、どんな観光が求められるのか、どのような観光のことをいうのか、丁寧に整理する」と紹介しておられる。実際、非常に丁寧に書かれており、しかもSDGsの議論の中でのツーリズムの位置付けもしっかり踏まえて描かれている。

読み始めるにあたっての僕の問題意識は、「エコツーリズム」と「サステナブルツーリズム」は、どこがどう違うのかという点だった。少し前まで僕がいたブータンでは、日本のNGOの方がJICAの草の根技術協力事業で、「コミュニティに基づくサステナブルツーリズム(CBST)」という概念に基づくプロジェクトを実施されていた。実際CBSTを冠としたFacebookのページもあり、今でもたまに更新されているが、2018年1月にプロジェクトを終了してから、「CBST」という言葉を聞く機会が激減した。

それに代わって出てきたのが、「エコツーリズム」という言葉である。

エコツーリズムという名前で、JICAの草の根技術協力事業が入っていたハ県も対象として、地域の能力開発に取り組むということになっている。ファンディングはUNDP。「エコツーリズム」という言葉はICIMOD(国際総合山岳開発センター)もよく使っていたから、このままだとCBSTという言葉はエコツーリズムに置き換わっていくだろう。ブータン政府はその時にお金を出してくれるドナーの言うことは聞く。ハ県にとっても、どこであろうと今カネを出してくれるところがありがたいとなる。

先のNGOのプロジェクトは2018年1月に終了したが、終了後、JICAがその成果を引き継いで、「CBST」の概念普及をもっと後押ししていたら、今とは違った状況になっていたかもしれない。もっとも、プロジェクト終了前に、この実施団体が「CBST」の概念普及に積極的に取り組んでいたかといえばそうでもなく、JICAにそれが引き継がれなかったのにも、何かの事情があったのかもしれない。

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再読『実践ソーシャルイノベーション』 [仕事の小ネタ]

実践ソーシャルイノベーション - 知を価値に変えたコミュニティ・企業・NPO

実践ソーシャルイノベーション - 知を価値に変えたコミュニティ・企業・NPO

  • 作者: 野中 郁次郎
  • 出版社/メーカー: 千倉書房
  • 発売日: 2014/06/04
  • メディア: 単行本

2014年10月以来の久々の再読である。初出の際のブログ記事をご覧いただければ本書が扱った7つの事例はお分かりいただけるかと思う。驚いたことに、三鷹在住だった僕がブータン駐在することになった後、仕事の関係で接点ができた自治体が2つ、このケースの中に含まれている。僕がブータンで仕事をする際、この本を事前に読んで予備知識を得ていたことが役に立った場面もある。また、実現には至らなかったものの、「アートサイト直島」のことを知っていたことで、現代アートを通じた地域おこしをブータンなりに演出できないものかと思い付き、それなりの頭の体操もできた気がする。

それを久々に読み直したのは、この事例に関する記憶自体をリフレッシュしておこうと思ったからである。確かこう書いてあったなと思っていた記憶が、結構怪しいような気もしたので。初めて読んだ時には、将来ブータンでこの事例で取り上げられた離島の関係者の方々と接点ができるとは思っていなかったので、わりと飛ばし読みしていた。曖昧な記憶に基づいて僕はしゃべっていたが、今回読み直してみたら事例の記述のトーンがやっぱり「町長のリーダーシップ」ありきだった。「それよりも住民が問題を直視して行動を起こしたからだろ」と何度か発言したことがあるが、これはむしろ三鷹市のことだった(冷や汗)。

7つの事例を読んでみて、各々の取組みの革新性、先進性には改めて頭が下がる思いがする。だからといって、その離島に特段の便宜を図れと言われると、「ちょっと違うんだけどな~」という複雑な思いを抱く。既に成功しているんだからいいじゃないかと考える自分もいる。僕は仕事以外の点ではこの離島とは全く接点がないし、自分が地域おこしに関わりたいと思うとしたら、自分の故郷で、この離島ほどメディアからは注目はされていないけれど、「知る人ぞ知る」という活動にである。これは、年老いた両親を故郷に残して東京だったり海外だったりとかで好き勝手に生きてきた自分が、この歳になって強烈に思うところでもある。

責任ある立場から外れて少しは自分が今後関わりたいことに選り好みができるなら、仕事の10%程度の時間はこんな活動にも充てたい。我が社が社員のモチベーションを損ねない形でオープンイノベーション的なことを始めるとしたら、そういう形を言うんじゃないのかな。

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『もう一度学びたい日本の近現代史』 [仕事の小ネタ]

もう一度学びたい日本の近現代史

もう一度学びたい日本の近現代史

  • 作者: 菊地 正憲
  • 出版社/メーカー: 西東社
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本

内容(「BOOK」データベースより)
明治・大正・昭和―世界を知り、戦った「激動の時代」から平成までをこれ一冊でわかりやすく解説。幕末からの時代の流れを知れば、いまの日本がよくわかります。

何の気なしに市立図書館で借りた。日本の近現代史を手っ取り早くおさらいしておきたかったからで、小難しい専門書に行く前に、中学高校時代の歴史教科書並みの記述で幕末から明治・大正・昭和期のことがひと通り言及されているのがいいと考えた。そのニーズには、本書はピッタリ合っていた。

ひとつひとつの出来事をそれほど深くは解説していない。著者自身もそれは割り切っていて、それを補足する仕掛けとして、その時代をもっと知るための、書籍・映画情報というのを欄外に盛っている。これがなかなか捨てがたい。僕が過去に読んだ本も幾つかは含まれていたが、ほとんどは未読。次のステップは多分これらの何冊かを読んでいくことになるのだろうが、そうすると本書は座右に置いておく方が望ましい。

ということで、読了後、すぐに中古で1冊購入することにした(なんと1円!)。これから日本の近現代史に関する文献を幾つか読んでいくと思うが、その出所は本書だと思って下さい。

ところで、今小学館ビッグコミックオリジナルで、能條純一『昭和天皇物語』というのが連載中で、その中で皇太子裕仁親王の欧州ご訪問が描かれている。ずっと楽しみに読んでいるが、描かれ方を見ていて、皇太子の欧州訪問中に大正天皇がお亡くなりになるのか、原敬首相が暗殺されるのか、どちらも起きかねない緊迫感が感じられた。てっきり大正時代の末期の話かと思っていたので、その後本日ご紹介した本の該当時期の出来事の記述を読んでいたら、欧州訪問の話は載っていなかったものの、原敬が首相だったのは大正中期だというのがわかり、ちょっと意外な感じがした。今後の『昭和天皇物語』の展開を理解するためにも、本書は手元に常に置いておきたいと思う。

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『アパレル・サバイバル』 [シルク・コットン]

アパレル・サバイバル

アパレル・サバイバル

  • 作者: 齊藤 孝浩
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2019/02/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
消費者の「クローゼット」を支配せよ!アマゾン「プライム・ワードローブ」、ZOZO「おまかせ定期便」、メルカリが変えた中古の意味…10年後の勝者が見通す壮大な戦略!

刊行されて2ヵ月少々、日経新聞の書評で取り上げられたのもつい最近という1冊を、市立図書館で順番待ちわずか1回のみで借りることができたのはラッキーだった。この手のアパレル業界情報を扱った本は2017年に出ている『誰がアパレルを殺すのか』以来だが、時々読んでキャッチアップしておかないといけないとつくづく感じる。それくらいはやりすたりが激しい。

本書において、著者は、アパレル業界のトレンドは10年ごとに新しいイノベーションが起こり、欧米のおよそ10年後を日本は追いかけてきているとの仮説を提示、2008年のファストファッションブームの日本上陸から10年が経過した2018年は、日本のファッション流通の新たなパラダイムシフトの年になると予測している。この仮説によると、これまでの10年間に欧米で起きてきたことを見れば日本で次に起きることがおよそ予測可能だとする。

1つは、ベーシックカジュアルアパレルSPA(アパレル製造小売り)やファストファッションSPAを下回る「さらなる低価格化」、2つめはチェーンストアによる電子商取引化の流れ、3つめは、(本書ではあまり深掘りされてないが)アパレル事業からランジェリーとヘルス&ビューティ事業にドメイン変更する流れ、4つめは店舗で無料体験を提供する業態の躍進なのだという。

この中でも本書で中心的な扱いを受けているのは上記2で、欧米の小売業店舗で見られるデジタル化や機械化の流れが、最先端テクノロジーをアピールするものではなく、顧客の体験やストレス解決を最優先にした課題対応型の適応策だと強調する。店舗スタッフの作業軽減に関しては日本の小売店でもセルフレジの取組み等が見られるが、欧米では、来店客の無駄足の軽減、接客待ち、試着待ち、レジ待ちの時間の軽減といった、ユーザーの利便性の向上を主眼として導入されているのが特徴で、著者は、この動きが今後日本でも強まっていくだろうと予想する。

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『転職の思考法』 [仕事は嫌い]

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

  • 作者: 北野 唯我
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。一生食えて、心から納得のいく仕事を見つける方法。

帰国してまる1カ月が経過した。新しい仕事の内容についてはブログの中でもチラホラと言及しており、そこからご想像いただくとして、正直言って僕は適応障害を起こしており、仕事の内容の激変に戸惑いを感じている。人に英語を話させる仕事ではあっても、自分自身が英語を話さなければならない仕事では必ずしもないし、前の仕事内容との関連性はゼロに近い。

そういう仕事の内容だというのは最初の1、2週間でわかってしまった。特に僕自身がつらいなと感じたのは、繰り返しになるが前職との仕事内容の関連性のなさである。僕が前任地でやってきたことに対する関心は今の職場ではほとんどないし、それが評価されることはこの1カ月全くなかった。自分の持ち時間の1割程度は費やして、別の部署の仕事はやってもいいと言われるが、1カ月仕事してみて、そんな余裕は全くないことがよくわかった。前任地で磨いたスキルや培ったネットワークが全く生かされないだけではなく、それを維持発展させていくことですらここでは難しい。

それに輪をかけて、新たなタスクが次々振られようとしている。さすがに僕自身も先月後半は開き直り、振られかけたタスクを断るどころか、そもそもそんなタスクの必要性に関して疑念を公言するようになった。そんなのに俺の貴重な時間を奪うなと…。遠慮しなくなった。

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タグ:北野唯我
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『麒麟児』 [読書日記]

麒麟児

麒麟児

  • 作者: 冲方 丁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: 単行本
内容紹介
『天地明察』の異才が放つ、勝海舟×西郷隆盛! 幕末歴史長編!慶応4年3月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に挑むための決死の策を練っていた。江戸の町を業火で包み、焼き尽くす「焦土戦術」を切り札として。和議交渉を実現するため、勝は西郷への手紙を山岡鉄太郎と益満休之助に託す。2人は敵中を突破し西郷に面会し、非戦の条件を持ち帰った。だが徳川方の結論は、降伏条件を「何一つ受け入れない」というものだった。3月14日、運命の日、死を覚悟して西郷と対峙する勝。命がけの「秘策」は発動するのか――。幕末最大の転換点、「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた2人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く、著者渾身の歴史長編。

皮肉なもので、帰国して最初の仕事は、日本史の学び直しとなった。僕の日本史といったら、政治史に関しては徳川三代将軍・家光の頃で終わっているし、幕末から明治・大正・昭和に至る近現代の歴史といったら、イザベラ・バードら外国人による日本旅行記か民衆史、あるいは仕事で集中して読んだ繊維産業の歴史ぐらいの読書しかしていない。政治外交史というのは、僕にとってはまったく不勉強だった領域だ。

それを今さら学術書を読んでにわか勉強したって、有識者はおろか、今の仕事に以前から関わっておられた関係者の方々には遠く及ばないし、政治外交史のエキスパートになるわけではないから、大雑把にではあっても政治外交史はつかんでおいて、自分の勝負は別の場で行うというのが、知識弱者である僕の戦術だと自覚する。

そこで考えられる方法論は2つある。1つは、引き続き自分の関心のある近現代史の領域で自分の理解を深めることであるが、もう1つは、自分にとっては不勉強な近現代の政治外交は、それを扱った小説を読むことでお茶を濁すというものである。特に、幕末から明治初期は、小説で扱われることが多い。海音寺潮五郎は西郷隆盛が登場する作品をライフワークとして度々発表したし、他にもかなりあるだろう。

ということで、本日ご紹介する小説は、冲方丁の『麒麟児』である。

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『奇跡のものづくり』 [読書日記]

奇跡のモノづくり

奇跡のモノづくり

  • 作者: 江上 剛
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/09/01
  • メディア: 単行本
内容紹介
世界に冠たる日本の技術を支える人たちは、何に悩み、何に挫折し、何に希望の光を見出したのか?日本再生に今こそ必要な人生哲学、仕事観がここにある!GDPがついに中国に抜かれ第三位に転落した日本。デフレ基調の不景気に歯止めがかからぬなか、国内産業は東日本大震災で未曽有の危機に直面している。しかし、意外にも業績が好調で、将来展望の明るい企業はまだまだ沢山あるという。なかでも、日本固有の技術、日本人ならではの気質を活かした製造業が元気だ。銀行員時代から数多くの事業・企業経営を客観的に眺めてきた著者が、「日本再生に今こそ必要な人生哲学、仕事観」を追い求めて、全国各地の製造業を徹底取材。伝統的産業から最先端企業まで、生産現場で汗する“仕事人”たちを訪ね、その世界基準といわれる技術や販売戦略を、時に熱く、時にクールに臨場感豊かにレポートする。効率化でもコストダウンでも利益極大化でもない……夢中になれば道は拓かれる!経済小説の旗手が描く血湧き肉躍るヒューマンドキュメント。日本再生に今こそ必要な人生哲学、仕事観がここにある!

昨日ご紹介した『ハードウェア・スタートアップ~』と同様、「ものづくり」ということでは本書も半年ほど前から読みたい本のリストに挙げていた。アマゾンの内容紹介を読む限りでは、知らない会社もないわけではなかったが、名の知れた会社も結構紹介されている。いずれも個人のスタートアップではなく、従業員がそこそこいる中小から大手企業なので、その点では慌てて読むべき本ともいえず、日本に戻ってきてから読もうと決めていた。

これくらいの頑固さと根気が必要なのだというのはよくわかる。そういうのが乏しい国で暮らしていたので、この点での日本人の凄さというのを感じるには本書はとても良い。こういうこだわりの部分を、外国の人には是非知って欲しいと思う。これくらいの根気が必要なんですよ。何事もそんなに簡単には成功は得られない。

粋を極めた技術なので、取材して文章に落し込む著者にも、描写で難しいところも相当あったに違いない。よく取材して、よく学んで描かれていると思う。

一方で、とはいってもこれからが大変だろうなという気もしてしまった。本書が出た2011年頃と比べても、今は至るところで「人手不足」というのが足かせになってきているように思える。本書で紹介されていた企業の中でも、後継者が既にいるケースはいいとしても、技術の継承、事業の持続可能性についてあまり触れられていないケースもあった。それ、8年後の今はどうなっているのだろうか。気になった。

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『テクノロジー・スタートアップが未来を創る』 [仕事の小ネタ]

テクノロジー・スタートアップが未来を創る: テック起業家をめざせ

テクノロジー・スタートアップが未来を創る: テック起業家をめざせ

  • 作者: 鎌田 富久
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2017/12/28
  • メディア: 単行本
内容紹介
ロボットのSCHAFT、人工衛星のAxelspace、パーソナル・モビリティのWHILL、印刷する電子回路のElephantech、がんワクチンのVLP Therapeutics…。いま東京大学をはじめ、大学発ベンチャーが熱い。東京大学の人気講座・アントレプレナー道場の看板講師であり、自らも学生時代にACCESSを共同創業し、現在はエンジェル投資家でもある著者が、豊富な経験から指南する大学発ベンチャーのススメ。

半年ほど前から本書を読んでみたいと思っていたが、帰国してようやく手に取ることができた。今さら自分自身でハードウェア・スタートアップを目指したいとは思わないが、理系の我が子が飛び込んでいくこれからの社会がどういうところなのかを知る意味では、いい読書になったと思う。ちなみに本書は図書館で借りた。

帰国までは手に取れなかったとはいえ、今なぜ読んだのかというと、4月26日に行われた僕の帰国報告会に間に合うようにしたかったからだ。この年齢になってテクノロジーに関心を持ったのは、自分が役職定年や定年退職期を迎えて年収が激減した時に、身の回りで必要になりそうなものはある程度自分で作れる、あるいは修繕できるようにしておきたいと思ったからでもあるが、もう1つの理由は、このトレンドはブータンのような内陸国にももたらすメリットが大きいからでもある。報告会の前に自分の論点を頭の中で整理しておきたかったし、帰国して1カ月、前職とは全く異なる仕事を取りあえず始めて前職の記憶がかなり薄れてしまったので、モチベーションを立て直すきっかけが欲しかったということもある。

しかし、残念ながら報告会までに読了することはできなかった。結局今の仕事に追いまくられたからだ。

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『会計の世界史』 [読書日記]

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

  • 作者: 田中 靖浩
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
内容(「BOOK」データベースより)
「会計ギライ」の方を悩ませる、数字および複雑な会計用語は一切出てきません。「世界史ギライ」の方をげんなりさせる、よく知らないカタカナの人や、細かい年号もほとんど出てきません。登場するのは偉人・有名人ばかり。冒険、成功、対立、陰謀、愛情、喜びと悲しみ、芸術、発明、起業と買収…波乱万丈、たくさんの「知られざる物語」が展開します。物語を読み進めると、簿記、財務会計、管理会計、ファイナンスについて、その仕組みが驚くほどよくわかります。

見た目の分厚さに相当躊躇したが、図書館で見かけて借りてみることにした。400頁以上あったが、意外とサクサク読めて、通勤で持ち運びする日数も少なめで済んだ。

「会計と歴史をエピソード満載に組み合わせ、新しい物語をつくる」というのが本書の目的だったようだが、これを読んで簿記会計やファイナンスをもっと深く理解しようとするかどうかは僕自身はわからないが、息抜きとして読むには最高の1冊ではあった。

第1部は、帳簿と会計が登場し会計の基礎が誕生した、16世紀のイタリアから17~19世紀のオランダのお話。銀行、簿記、会社組織等の誕生の歴史を、時代を彩った有名な絵画のエピソードを絡めて述べている。

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